岡田斗司夫の遺言・第四章

はてな日記なので、日付に嘘がありますが、
かなり寝かせてから書いてます…。。



そして、宿題として「自分の中にある相反する性格についてのせめぎあい」
も取り入れて書く、というのをだいぶ後になって
思い出しちゃった…ので、すみまへん。
ただの記録と化しています。


というわけでかなり記憶がいつも以上にウロでありますが、
内容は「パソコンゲーム黎明期」のガイナックス奮闘記であり、
幻の「ガイナックス版ヤマト」の話でありますよ。



で、始まりは前回に引き続き、「はっちゃけあやよさん」
というパソコンの脱衣ゲームの話。


でも今、ググっても当時の画像は出ない。


画像見たい&詳しい資料を見るには、



超クソゲーremix

超クソゲーremix


超エロゲー

超エロゲー




このあたりを見るといいそうです。
(T様・情報提供ありがとうございます〜)




いやでも本当にひどい絵だったのに、
みんな買っていた。


「お部屋探しのミニミニのキャラくらいにひどい。
というレベル」とまで。



で、人はなぜパソコンで脱衣ゲーなど
やっていたのか?



ポトラッチ(※インディアンの儀式。派手な贈り物をしあう)
のような行き過ぎた文化のように、
高いパソコンでしょうむないことをやるというのは、
ダメになる快感があるのでは。


パソコンに女の子の裸!アナーキーなドライブ感!
文明度は高いが文化度は低い。それがよい。
ガイナックスの技術→パソコン文化・抽象化のチャンス!


「電脳学園シリーズ」
ティクビについてカラーチャートで熱く語る→もちろん女性社員からセクハラと言われる


(かのん注・そりゃ、言いますがな…)


パソコン文化が普通化されていく過程に載った。
「電脳学園」は宮崎県で有害ソフト指定される。で、赤井くん怒る。
今考えれば、「いや…有害じゃん」(笑)


ただ、この輪が広がるとヤバイ。電脳学園3が有害なら1 2は?


そんなこんなで、ゲームは「電脳学園」を3までやると袋小路に入った。
アドベンチャーゲームに主力がいく。



そこへ眠田直さんという人物がガイナックス
へやってきまして…。


(かのん注・漫画家、イラストレーターの方かと思っていましたが、
ゲームプランナーでもあったのですねぇ。ふむう。)


山賀さんはたとえると「総力戦タイプ」で「大型トラック」。
「半径100mでしか曲がれない、燃費が悪い。」


眠田直さんは「スーパーカブ」。燃費がよい。


「見込み」と「ひねり」と「自分の好き」をうまくミックスできる方。
SF大会」の企画で、「一晩で企画を作ろう!」の時、
「一分に一本」出す!


特に岡田さんに印象的だったのは、
「地球に優しくしたら地球がダメになる 地球に厳しくしよう!」
戦隊が地球を汚しまくる、そうしたら森が復活する…。
我々はまだまだ地球に甘かった…end!


この企画力はプロ作家がベタボメした。


☆ゲーム「エイプハンターJ」


「負けたら女の子が脱ぐって変ではないか?」
眠田さんは焼肉食べに行く道筋でおかしい!と言い出し、
食べ終わったらもう結論出てる!超スピーディ。


<企画書>「学園に猿がいる!少子化のため、奴隷として作られた猿。
エイプハンターではそれを嫌がった猿が学園に逃げこんだ。尻を見れば分かるので、脱がす!
しかし、主人公は気づく…『サルも人も同じだ!』
差別のない世界が…というナレーションで締める」
600本が採算分岐点だから、もうかるので作るのにお金かける。
「エイプハンターJ」では【公民の教科書】がふろく。
「サル害」を100ページくらい語っている。
ゲーム誌ではそのふろくの本をほめてある…。


(かのん注・なんとなく『エルフを狩るモノたち』を思い出した
<ヌードに理由付け)


眠田先生の名作として、


『バトルスキンパニック』シリーズ。
カードをひく+すごろくのカードバトル。
「電脳学園」はグラフィックがムダ。
作画枚数は半分で、遊べる時間長く。
「拳法・全裸神拳!」= 裸になればなるほど強くなるが、
羞恥心メーターを上げ過ぎると戦えなくなる。
カードをひくと「あらあら嫁入り前の娘が」とか、
「こんなのなんともないわ」などのセリフを言って
羞恥心を上げ下げもする。


ならば…。
最後は巨乳の塔!にして、「ボスキャラは部屋中が胸はどう!?」
と盛り上がると、 赤井さんが「誰も喜ばない」と一刀両断。
眠田さんとどうする、 という相談をする。
じゃあ「核ミサイルと戦う!」
ミサイルが脱ぐ

爆発!

プルトニウムの妖精が出て来て「ありがとう」と言って脱ぐ。

そしたら239〜235になって自然爆発する



「ダメです!」(これも赤井さん?)



「科学的には正しいんだけど」(笑)


ゲームを作ることは自由度が高く、おもしろい。



第三世代のゲームアドベンチャーゲームは、
ストーリー・絵コンテの状態で完成度を上げる。
もっとゲームとして楽しいものを…。
リバーヒルソフト」みたいな推理ものもいいんだけど…。
岡田さんの意見。「ゲームで、自分ではできないことをしたい」


女の一生」をゲームに!
「この時点でのゲーム文化の発達段階では、無理」。
赤井くんの希望→「信長の野望が好き!」でも戦闘シーンは嫌いで
部下の強錬しかしたくない。
「じゃあ足そう!」でできたのが「プリンセスメーカー」。


はじめは「マイフェアチャイルド」のタイトルだったが主人公が良い人すぎる。
世界名作劇場的なので、
プリンセスメーカー」の名に。


「パラメーターが上がるとニヤニヤする感覚」を小さい
ウィンドウで表示することで味わってもらう。
(かのん注・あ〜。確かに「3」だけどやってて
にやにやしたなあ(笑)でも結局お金を貯めて商人を待ったり
したっけ←ヘボいゲーマーなもので)


アドベンチャーゲームはいい絵でなくてよく、
うまい絵が描ければいい。
「ゲームのラスト」をどうするか?

前提として、人間はなぜ感動するか?
奥の方に届けばいい。パソコンゲームで泣くのは
あり得ないことだった。
「なるほど」と思うけど泣くのではない。
サイレントメビウス」のゲームは、
『GuGuガンモ』のラストがイメージ。半平太くんたちがガンモがいた記憶を失うけど、
ガンモの大好物だったコーヒーを飲んだらなぜか涙がとまらない…
という。
いいことをしてくれたけど、いなくなった、という自己犠牲を見せる。


サイレントメビウス」では、「オルゴールが聞こえると涙が流れる」ことにした。
それまでのゲームは過剰な演出だったので、あえてさりげなく作った。
主人公は記憶をなくして、なぜタイタニックへ行くのか分からない。
でもユーザーだけが分かる。
主人公と感動の共有ではないというのが重要。
自分だけが分かるから泣ける!
成功した。


(かのん注・この構造は今のゲームの成功例
に通じるものがあるかも…、
ひぐらしのなく頃に」のゲームにも、プレイヤーだけが
把握している真実や、何度もキャラたちが惨劇を迎えている
ことを知っている、だからこそ、なお真エンドで感動を呼ぶ…のかな?なんて。)


プリンセスメーカー』では、ゲームだからマウスを押す、
という労働それ自体に「ありがとう」を言われると嬉しい。
最後に手紙が届く。「お父さんありがとう」の
最後の手紙でぐっとくるか?があり、そこから作った。


でも…。


「まさか『ときめきメモリアル』が出るとは〜!!」(笑)


ガイナは新しいことはやるけど売れるものはできない。
ときメモ』開発の人と対談して『プリメ』を参考にさせてもらった、
と聞いて、


「ええそうでしょうよ!」とイヤミな反応してしまった(笑)


(かのん注・「恋愛をゲームに持ち込む」というのは禁じ手というか、
当時は考えもつかないものだったのでしょうか…?
ちなみに女性にとっては「ときメモGirls Side」って今思えば結構衝撃だった〜。
だって「アンジェリーク」みたいなファンタジー設定なら美形に囲まれてって、
夢を見てもいいかな〜と思ったけど、
学園を舞台になんて…恥ずかしい〜!と思ったら、面白くて衝撃受けた)


89〜91年、アニメ班は「おたくのビデオ」、「炎の転校生」と、
オリジナルものは低迷。ひたすら否定ばかりしていた。
ゲームのおかげで預金通帳には一億!すごいがどう使おうか…。


そんな時…。
西崎義展が!本「絶版」にもある話だが、
「ヤマトを作らない?」と言われた。


時期は『ナディア』のあと。
山賀さんは嫌がった。
野望として、「アニメーションやりたい。アニメでない」
(かのん注・大作・芸術志向という意図ということかしらん?)


岡田さん庵野さんは大喜び!
マクロス』の企画成立時のスタジオぬえ、そして「一階と二階で分裂時」に立ち会うなど、
オタクとして歴史的な瞬間に立ち会う「フォレスト・ガンプ」。
というのもあり、
オタクとして生まれたからには…西崎さんくらい会いたい!

(休憩)

この時、差し入れの「さくらスイートポテト」を分けていただく。
女性優先ということで。
一応女性でよかったと思いました…おいしかった…。むふ〜。




さて、休憩とともに雑談風のお話。
教育論的な…。


マサチューセッツ工科大学は朝五時から授業やってる。
学生の偏差値が低ければ低いほど、教師の質が上がる。


頭の悪い奴が面白がる授業。
代アニは楽すぎるくらい。


出題者の意図、先生と同意見になるかの修練をつむのが
偏差値の高い学校。


こんなところで教えていたらダメになる!


現在の芸大→今流行っていない漫画家だとダメ。自分の事が大切。


(かのん注・ふむう。私の教員経験はそういう意味で
伸びるチャンスだったがかなり自分はダメダメだった、
と今となっては思っている。大反省。)


さて、西崎義展の会社で「ガイナでヤマト」を持ちかけられた話。


自宅へ行くと、女性秘書全員ミニスカ履き、先生に話しかけるとき、
ひざまづく!
もうそれを見ただけでわくわく!!



コレがらみで、富野さんのお話へ。


たとえば、宮崎駿カントクに会った時「椅子に胡坐かいて「自民党に投票するんだろっ!」」
もー、期待通りで、とても嬉しかった!


富野さんと対談。(※文庫版『オタク学入門』のおまけ用)


富野さんは理想の父親像とオネエ性?
富野さんはよく岡田さんの(おそらく、当時はとてもさわり心地
の良さそうな)お腹だとかお尻とかをなでまわす…
(といっても、そこまでの仲ではないのであるが…)
くねくねしているな、と思ったら
「アニメをバカにするな!」と一喝する。


富野さんについてどんな人?って聞いたら
「誰もが」バラバラな回答をする!
さらに「毎週」違う!


で、先日「オタク学入門」の対談が遅れた時、たいそう怒っていらした。
富野さんは平成15年ごろから「最近の地球はこれでいいか!」と問いかけをなさっている。


対談時、「ガンダムの話なんかしないもんね!」と
すねたり、「ビームサーベルは僕の方が早かった!」
ビームサーベルはずっと光ってはいない!」
「ザクに当たった瞬間だけ光らなきゃいけないのにっ!」
「アニメファンはみんなバカっ!」
ととばす。


富野さんの宇宙工学的なセンスはすごい。
無重力空間をグリップを握って移動するとか、
吸盤つきワイヤーを銃で発射し、ターザンみたいにぶらさがって移動とか…。
素晴らしい。


富野さん自身は「マゾで甘えんぼ」「マッチョの裏にオネエがいる」



そんなこんなで西崎プロデューサーとご対面したエピソード。
開口一番、
「会いたかったよ…」(声マネ)
と言われた。
もはやどうしていいか分からない。
西崎プロデューサー
「口座番号教えてくれたら明日までに2000万振り込む…」


一緒に来た庵野さん、ひたすらくすくす笑い。
すっかり傍観モードなので岡田さんが仕切るしか。
さらに西崎プロデューサー、
西崎プロデューサー「明日までじゃなくて今日中に…」
岡田さん「仕事のギャラ?お年玉なのか?」


これは後で考えると腹芸ワールド。
日本の古き良きプロデューサーワールドというもの。


西崎プロデューサー「2000万は2000万だ、払いたいから払う」


岡田さんは思わずマジメに「口座番号を会社に聞きます!」
と反応。これはダメフラグ。


西崎プロデューサー「ヤマトは好きなように作れ」
庵野さん「ホントですか!」嬉々としている。

そっちのけで、西崎プロデューサーは本田美奈子の話を延々と
しはじめた…。

(かのん注・wiki、西崎義展の項目より。
「1987年 - 本田美奈子(当時)主演の映画『パッセンジャー 過ぎ去りし日々
を制作総指揮。」
これ絡みで何かと思い入れがあったのだと推測されます…。合掌)


庵野さんは大喜びで「第一回(作?)のあのまんま
でやらせて下さい!」


とお願い。


しかし西崎プロデューサーは「ちがうなー」と言いつつ、
ロマンについて語りつつ、えげつない金や女の話。


(以下、あぶない話。まさにマジカルパウダーの
話というか…。)



同じような経験した「辻さん」という方は「現金」で200万もらう。
出ようとしたところで「はい、お金返して〜」と秘書さんが回収する。


昔はお金を渡してそのまま、くらいの勢いだった。



(かのん注・またwiki西崎義展の項目。
豊田有恒によれば強烈なカリスマ性を有しており、傍目にはまるでSFに出てくる催眠能力超能力者ヒュプノティストのようだったとのこと。どんなに西崎のことを悪く言っていた人間でも、実際に会うと喜んで西崎の仕事を安いギャラで引き受けていたそうである。>
だそう…。


そういう大人物!だったそうですが、岡田さんが会った当時は…。

脳内の何かが足りなくなって外から補わざるを得なくなっていた、
といったところでしょうか。


かのんのリアルタイムでいえば、
角川のハルキさんのようなイメージ?「REX」とかあのへん。)


その様子を聞いていた庵野さんは、
自分の思い通りにやらせてくれないことを
悟って、興味をそがれていた。


舛田 利雄氏など、西田プロデューサーのかつての友達・仲間に
「役」(監督など?)を割りふる。それが大人物のやり方。


そして西崎プロデューサーは会議が大好き。それは戦略。
一人だと「松本零士センセイが言い出したこと」
になるが、「会議で決まったこと」にすると、
西崎プロデューサーの権利になる。


プロデューサーこそスターであり、監督はパーツにすぎない。
それが昔のプロデューサーワールド。


今考えたらガイナックスアニメ班にヤマトやらせた方が
良かったかも…?


ただ、西崎プロデューサーの偉いところは「ヤマト」という
「空前の作品」の企画を通したこと。「地球の負け戦」
「売れない漫画家(※メモのママ)」、
「地味な戦艦」という組み合わせにもかかわらず!


ここから作家とプロデューサーについての話。


19世紀までは、文学者は健全でなければいけない。
弱いけど正しい。
文学者の役割、正義・正論・システムに組み込まれないものを
救済。


世界への責任感を持つ。
鈴木敏夫プロデューサーは「汚れ」
(=負の部分、セル・コンピューターという環境に
害なものでアニメを作ることとか)を引き受ける。
だから宮崎駿は正論を言える。


二面性を持つことについて、クリエイターは人一倍弱い。


プロデューサーとしての岡田さん、
エヴァンゲリオン」は害を起こすから作れない。
トップをねらえ!」バカ→ひねくれた感動だから作れた。


というわけで作った企画「グリーンナチス
「環境のために人殺しをする!」
↑樋口真司氏が「こんなのあったらどうする?」
庵野さん「しびれる〜!」


ちなみに凍結してしまった『蒼きウル』とは「蒼き狼」、
つまりは『紅の豚』と真逆をやろうとした。


イメージは「ストリートオブファイヤー」
かっこいいの極地で、メイキングがバカの極地である。
でも「えらいことかっこいい!」んだそう。


(かのん注・どうでもよいことですが、聞いていて
某BLロボアニメはタイトルのみ『蒼きウル』から
こそっと拝借したんではないか、という説を
心中ひそかに立てました…。ああすみませんすみません…)


さて、『グリーンナチス』地球を守る悪の組織、
↑誰と誰が戦うんだ?ってことで企画ストップ。


今なら「地球環境」と対極の「ヒューマニズム
ラストで植民可能な星を見つける、という逃げは可能。


子孫がよくしてくれる、で終わり。


岡田さんの案、
人間が死んだらどこへ行く…。死んだ人間が敵としてやって来る。
人間が死んだら月に行き、地球をうらやましく思い、
死者ロボが攻めてくる!


難点:勝ち目がない。生きている、ということを良しとしきれるか?


前田真宏さんはえらく気に入って、いろいろ死者ロボ、死者戦車?などを描いてくれた。


死者は善意で攻めてくる。「死んだら楽だよ」



それって…。
オウム事件の時はうちのスタッフがいるんちゃうか、と思った。



(かのん注・「エヴァ」の「人類補完計画」もそれかも…。)

こんな感じでタイムアップでした。
この回では割合早めの切り上げとなり、終電を気にせず
に終わっています。



いや、いいですねえ「オタク界のフォレストガンプ」!
「立ち会う」だけじゃなくて、ガンプが
「スマイルマーク」などのヒントを与えたように、
「作り出す」きっかけにもなっているのがまた…。


4月の第五章もちょっとメモってありますが、
この時、かのんは虚脱状態だったので
ライブ感を楽しむことをメインにしていた次第でして…。


で、「ナディア」の話がメインなので、今キッズステーション
見ているのを見終わってから書く…かも?


そして、「遺言」シリーズ、
今のところ第六章、第七章の開催は決定していますが、さて…?