『こんにちは アン』観賞終了

アニメ『こんにちは アン』を全話見た後の感想など。

もちろんネタばれてますのでこれから全話見られる方は
ご注意を。





終わりよければなんとやら、でした。

バッジ・ウィルソンの原作では、
モンゴメリの原作内設定に忠実なので、
正直結構暗く…。
まあアンがあれだけ
昔のことを語りたがらず、
「うそ設定」をマリラに語ろうとしたということからも
現れていますよね。

というわけで、プリンスエドワード島に行って
とにかく幸せだった、
逆に言うとその前はとんでもなく暗黒時代だった、
の「暗黒時代」の方を描こうとしたのが
『こんにちは アン』でした。

あんまり原作に忠実にしすぎると、
見ていてつらいばかりの作品になりますし、
かといって明るくなりすぎると、
アンの根幹設定にかかわるし…という
ジレンマのもと、
結局やや明るくする方を選びつつ、アンがどれだけ
プリンスエドワードに行くことを望んだか、
を強調したわけですね。
まあ、一本のアニメとして見るにはよかったかもしれない…。
(原作中にある、「アンもちょっと悪いんじゃないか?」
という行動の描写は控えめだったし…ただし、トマスおじさんが
エリーザに助言したエピソードはけっこう絶望的な内容だったにもかかわらず、
しっかり生かされていたことは敬意に値するのです。)


難点としては、
・孤児院でキレるアンはちょっとかわいくなさすぎ。
・エンディングの『やったね♪マーチ』が、
トマス氏やハモンド氏が死んだ回でも流れるのは
いくらなんでもちょっとヒドイ。
『愛少女ポリアンナ』みたく、途中で主題歌チェンジ
してくれたらよかったんだけど…。


余談ですが、しかし、行く先2か所で一家の大黒柱が
死ぬのはどういうことでしょう…。
こういう場合、女性もある程度の手に職を持って
リスクヘッジせねばならぬな、とは思いますね。ええ。
あと、かなり「大家族・多産否定」アニメであったともいえましょう…。


ラストで、アニメのアンの「帽子」の由来が出てきたり、
ケンカ別れしてしまったエリーザの手紙が届くとか、
先生方やエッグマンとの再会という
オールキャラそろい踏みがあったりして、
最後まで見て「よかった」と思える作品になっているとは
思います。


しかし、アニメ内の設定のままだと、
本編のエピソードとつなげて考えた時、
アンが孤児院に返されるかもしれない…としても、
「じゃあ、やっぱりデラの面倒を見るわ」と
あっさり戻る選択肢も浮かんじゃうなあ、という疑問も。(このへん、
たしか原作小説にないオリジナル)


ともあれ、このアニメ化があったおかげで、
普段にも使えそうな、こんなカワイイ雑貨が
誕生しているみたいですし。
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余談2。
ハモンド夫人はヤンデレならぬヤンツンだった。新ジャンル?


世界名作劇場の再開は気長に待ちますか…。